Creativity, Inc.: Overcoming the Unseen Forces That Stand in the Way of True Inspiration
『ピクサー流 創造するちから』
John Lasseter と共にPixarを作り引っ張ってきた Ed Catmull が書いた本。
常に観る人の想定を越えて、アッと言わせる作品を生み出し続ける共同的創造作業の現場をどのように作り、維持してきたのか、その苦労を、これまでの作品作りの舞台裏を明かしながら、自らの経験として語っている。Pixarの映画作りの歴史の本としても楽しめる。
この本を読むと、Pixarのマジックは決してただの幸運などではなく、身と心を削る苦労の賜物だということがよく分かる。
Pixarの活発な創造空間を維持しているものは簡単なスローガンなどには決してまとめられるものではないが、すべての人を生かし切る、率直に建設的に意見を言い合う信頼関係を保つ、積極的にリスクを冒せる安心を保つ、環境や関係の変化に対応して常に柔軟に考え動く、などの指針が心に残った。
日本語版を読み始めたが、誤訳や分かりにくいところが多々あったので、英語版を買い直して読んだ。英語版の文章はとてもよく書かれていて読みやすく、感動的。日本語翻訳もがんばってはいるが、原書の魅力が十分訳し切れていないのが何とも残念。