美しく咲き始めたサクラの写真を撮っていてふと思ったこと。
写真を撮ろうとするとき、僕はいつも何かを探している。
端的に言えば、「美しいもの」「心を打つもの」を見つけようとしているのだという気がするが、どういうものが「美しく」「心を打つ」のか。
花の形とか、花たちが作る空間とか、色合いとか、光の具合とか…
でも、よくよく考えると、「美しさ」は一様じゃない。
花びらがいっぱいに開いた姿もいいけど、開き始めのつぼみも愛らしい。
順光を受けて鮮やかな色がはじけているのもいいけど、逆光を浴びて光の輪郭に形取られているのにも息をのむ。
強いて言うなら強いコントラストが効いていて「ドラマチック」な光景が好きかな。でも、その美しさは具体的な見た目では定義できない。
色々な要素の微妙な組み合わせで、ある瞬間にパッと見えるようなものだから。見える時にはあんなにはっきり感じられるのに、外形的な作りなどでは説明したり、再現したりするのは難しい。
そんな掴みきれないバランスでできているところが、「美しさ」の面白い所以。