モノやサービスの価値を世に問おう(売ろう)とする時、すでにあるマーケットに参入する方が安心。そこにはすでに他の会社などが開拓した需要があるから。
でも、すでに開拓されたマーケットから利益を得ようとすると、自分のサービスをそのマーケットの需要・価値観に合わせなくてはならない。さらに、多くの場合、同じマーケットをターゲットとした競合他社との競争に巻き込まれるため、安売り競争に取り込まれる。
そんな中では、自分の真の強みは発揮できないばかりでなく、そのうち安売り競争よって疲弊してしまうだろう。利益が上がりにくいことも苦しいだろうが、もっと辛いのは自分の営み、そしてそれを生み出す自分自身までもが「モノ」のように扱われることだろう。
安売りに群がる人たちはこちらのサービスを「他で提供されているのと交換可能な消費物」としか見ない。他での商品と同じだからどこで買っても同じ。それなら安い方がいい。となる。値段だけが尺度になってしまっている。そんなやり取りの中では一生懸命心を込めて生み出した営みも「単なるモノ」として扱われ、自分もそんな「モノ」を生み出すロボットのように感じられてしまう。
サービスや商品を送り出そうとするときは自分が持てる真の強みを基盤として、新しい価値、そしてそれを求める新しい需要を創り出すことをめざそう。特にはじめは苦しいけれども、本当に自分が提供したいものを売っていくには、独自のマーケットを創り出して行くことが大事。
この視点は、モノやサービスの提供だけでなく、世の中における自分の価値をどのように打ち立てていくかを考える上でもとても重要だと思う。
自分の役立ち方を既存のサービスや役割の中にはめ込んで考えるのではなく、まず、自分がつながりたい人たち、自分が応えたいニーズや期待を絞り込んで、その人たち、そのニーズに真っ正面から応える方法を考えたい。そうすることで、本当に自分が望む形で世の中に役立つことが出来るんじゃないかな。