測ることは大事:ちゃんと大事なことを測っていれば

自分が大事にしたいこと、本当に向上したいことは進歩を測るといい。測ることで積み上げていく動機付けも強まり、継続もしやすくなる。

確かに、それほど好きでもないウォーキングでも、歩いた距離が積み上がっていくのを記録していると、続ける意欲が湧く。

でも、測ることの効果は逆にも働く。

測ることに闇雲に、しかも安易にこだわると、単に測りやすいものを測るようになる。

売上げ数、生産したモノの数、発表論文数、論文が引用された数…

こうした数えられるもの、数えやすいものも、参考指標の一つとして使う分には良いかもしれないが、その数値で賞罰を決めるなど、数字自体に大きな意味を持たせるようになると、当然数値が一人歩きし始める。

数値自体が目的となり、数値を生むプロセスの質を殺しても数値だけを上げようとするようになる。だましてでも売る、質が落ちても多く作る、盗作してでも発表論文を増やす、証明できなくても発表して話題と引用を取りに行く…みな同じ。

測ることは大事。

でも、測るものを間違えてはいけない。

やっかいなことに、本当に大事にすべきこと、本当に測るべきこと(顧客の感謝や喜び、チームのやる気や士気や信頼度、研究の活発度、研究の波及効果)は測りにくいことが多い。

でも、だからといって、測りやすいもの、数値化しやすいものを測りにいっては危ない。それは、単に大事なものを測り損ねるだけでなく、人に間違ったものにこだわりを持たせてしまい、大事にすべきことを壊してしまいさえするかもしれない。

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