大学改革の行く末

あまり簡単にもうダメだとかは言いたくはないですが、今の大学を取り巻く「改革」にはかなり根本的な疑問を持たざるを得ません。内田樹さんのこの記事(「国立大学改革亡国論「文系学部廃止」は天下の愚策」)、長いですが、大学の側から見た光景が非常に正確に捉えられていると思います。

内田さんも言っているように、国立大学にも問題は少なくなかったが、昨今のコロコロ変わりつつどんどん強引になっていく文科省からの「改革」を見ていると、国立大学という仕組みや文科省主導の教育制度は近いうちに機能不全に陥るだろうと思います。少なくとも、自分が命を懸けるような教育の場ではなくなります(今でもほとんどそうではなくなっています)。

実業界からすれば、時代錯誤とか社会の実情やニーズから乖離しているなどと見えるのでしょうが、社会のすべてが今の経済活動に最適化されるべきだと考えること自体が危険だということに気がつかないのでしょうか。それとも、大学での教育や研究も経済活動に最適化して実業界での即戦力だけを育てることを求めなくてはならないと思うほど、実業界はじり貧で余裕がなくなっていると言うことことなんでしょうか。

どちらにしても、大学での教育・研究環境の破壊はものすごいスピードで進んでいます。この記事の最後で内田さんが指摘しているように、あるべき教育を考える場は私塾しかないかなと僕も思っていて、大学の枠を離れた教育活動の道を真剣に考え、模索しています。

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